新郎新婦の職場関係者は、直属の上司や親しい同僚でない限り結婚式へ出席しないことが多いので、電報やプレゼントでお祝いの気持ちを伝えるのが一般的です。友人や親族と大きく異る関係を築く職場では、プライベートで交流がなくても戦友のような独特の親しさがあり、それに伴い祝電の文面も変わってきます。また、先輩、同僚、後輩と社内の序列もあり、どんなメッセージを送れば良いか、悩みどころでもあります。ここでは新郎新婦との関係ごとに、文例をまとめてみました。
同じ時期に入社して、苦楽をともにした間柄だからこそ、新郎新婦とのたくさんの思い出やエピソードがあるはずです。きちんとしたお祝いの言葉は必要ですが、自分たちが分かちあった思いを盛り込んだ文面を送れば喜ばれますし、心に残るお祝いとなるでしょう。「いつも羨ましいと思っていた人をまとめる手腕が、家庭でも活かされるでしょう」「同期の中で一番の気遣い上手は家庭でも大活躍ですね」など、魅力的なポイントを仕事に絡めて書けば、列席者に新郎新婦の人柄が伝わりやすくなります。「あなたが結婚してしまい私が同期最後の独身になってしまいました。すぐにあとを追いかけるからね」など、同期ならではの笑いをとる文面もお勧めです。シニカルな内容でも、自分を下げて、丁寧なお祝いの言葉で締めくくれば、気持ちのよい笑いになります。同僚といえどハレの日なので、マナーを意識した祝電を送ってください。
職場の先輩には、今まで指導をしてもらった感謝を込めて、失礼のないお祝いの言葉を送りましょう。上司や先輩など目上の方へ送る文章と考えると、定型文で無難にやりすごしたくなりますが、後輩や部下という目線で見た人柄や、職場でのエピソードを一言いれるだけで、新郎新婦の喜びも増しますし、会場全体も和やかな雰囲気になります。「常にフォローを忘れない先輩の姿勢は憧れですし、家庭でも見事なフォローで切り盛りされるでしょう」「厳しい中に部下を思いやる愛情が込められた指導をいただき成長できました」など、人柄がしのばれる文章が場を盛り上げます。とても親しい先輩なら、「先輩のあとに続き素敵な旦那様をみつけます」「こんなに素敵な旦那様を隠していたなんて水くさい」など、クスリと笑えるくらいの内容を入れても喜ばれます。いずれも最後は、丁寧な言葉でお祝いを伝えるようにしましょう。
上司や先輩の立場で後輩へ電報を送るなら、格言や名言を説いた文面や、マナーから外れない程度にユニークな文面、面白いエピソードなどを取り混ぜながら、社会人としての見本となるようなお祝いの言葉を送るのがお勧めです。ウィットを利かせて会場を沸かせたり、涙を誘う感動的な言葉で盛り上げたり、新郎新婦のイメージに合わせた演出をしましょう。「優柔不断なところが目立ちますが、実は粘り強く、不屈の精神を持っています。その気持ちで家庭にも情熱を注いでください」「弊社が保証する最高品質を誇っておりますので、ノークレームノーリターンでよろしくお願いいたします」など、人柄を語ったり、ユーモアを交えつつお祝いを述べるのも気が利いています。「入社時は頼りない部下でしたが努力を重ねて花開き、このハレの日の主役となった立派な姿が目に浮かびます」なども、新郎新婦の涙を誘うことでしょう。
祝電を送る際の大切なポイントは、新郎新婦が主役だということです。盛大な結婚式なら格言や名言で諭す文面が良いでしょうし、アットホームな雰囲気なら会場を盛り上げるような文面も良いでしょう。いずれにしても二人を祝福することが目的なので、どんな立場から送る電報でも、心からお祝いする気持ちをメッセージに込めれば、きっと喜んでもらえるはずです。心に残る素敵な祝電を送り、結婚後も気持ちよく仕事ができるようにしてください。