結婚式の披露宴で読み上げられる電報。
大切な人が結婚する際、どうしても他に外せない重要な用事があって出席できないという場合、あるいは招待されなかったけれど、どうしてもその場で喜びとお祝いの言葉を告げたい場合などに有効です。
普段、利用する機会が少ないだけに、お祝いの電報で、どんなメッセージを送ればいいのか、悩みどころですよね。
冠婚葬祭の場ではマナーもありますし、めでたい席ですので祝電の文章の書き方には何かと縁起を気にしたほうがいいことが、いくつかあります。
結婚式のお祝いの電報には、手紙やビジネス文書と同様に、文章を書くのが苦手な人のための、定型の書き方があります。
例えば「ご結婚おめでとうございます。おふたりの末永いお幸せをお祈りします」。シンプルではありますが、わかりやすくて言いたいことの伝わりやすいメッセージです。
「ご結婚おめでとうございます。ふたり仲良く、暖かい家庭を築いてください」と続けてもいいでしょう。
このように冒頭のお祝いの言葉は同じでも、後に続ける言葉で、違う意味のメッセージになります。
新郎新婦とあなたの関係でどんな文章にするのがふさわしいか、チョイスするといいでしょう。
先輩に送るなら上から目線になるような文章は避けるべきでしょうし、距離感の遠い相手なら砕けた調子よりも少し硬めのほうがよいでしょう。
そのような場合は、冒頭のお祝いの言葉を「華燭のご盛典を心よりお慶び申しあげます」としてもいいかもしれませんね。
ありがちな定型文ではなく、もっと自分の気持ちをそのまま伝えたいと、自分で電報のメッセージを考えたいという人もいるでしょう。
そんな時でも、長い文章にならず、なるべく短く簡潔に伝わる文章になるよう、心がけた書き方をしたほうがよいでしょう。あまりに長すぎると言いたいことが分かりにくくなり、相手に伝わりません。また、あまりに長いと結婚式の宴席で紹介されない、なんてこともありえるかもしれません。
そうなってくると、短いけれどあなたらしさを盛り込んだ、インパクトを与える文章を書く、というなかなかハードルの高い難仕事になりそうです。
何よりもあなたらしさが出ていれば、新郎新婦は喜んでくれるでしょう。
メッセージ内で、仲間内でしか知らないような新郎新婦のあだ名で呼びかけてみたら、ぐっとメッセージに親近感が沸き、喜んでもらえるのではないでしょうか。
そんな結婚式の電報ですが、めでたい席だけに使うべきではない言葉が、いくつかあります。
そのひとつが別れや再婚を連想させる言葉です。
「別れる」「離れる」「切れる」「裂く」などの直接的な表現から、「終わる」「止まる」「絶える」「流れる」「逃げる」「果てる」など終わりを連想させる言葉、「褪せる」「変わる」「冷める」など心変わりを連想させる言葉などがそれに当たります。
勢いでメッセージを考えていたら、使ってはいけない語句を無意識に入れてしまいそうですが、最後に見直して、別の言葉に置き換えたほうが望ましいです。
さらに「たびたび」「ますます」「くれぐれも」など、つい使いがちな重ね言葉も再婚を連想させるので、避けたほうがよいでしょう。
またお祝い事にふさわしくない縁起の悪い語、「死」や「苦」の音に通じるもの、「四」「九」も好まれません。
文章を考えるのが苦手な人は、無理をせず定番のテキストを使用したほうがいいですが、やはり受け取るほうとしては、送り手の心のこもったオリジナルメッセージの電報だと楽しめますよね。
親しい仲なら飾らず気取らず、砕けた言葉での祝電もよいかもしれません。
とは言え、どのような言葉で綴るにしても、もらう側としてはわざわざ送ってくれたあなたの気持ちが嬉しいのが結婚式の祝電です。
だからこそ、相手にわかりやすく伝わりやすい言葉で、あなたの気持ちを綴れるとよいでしょう。