かつては身内が危篤になった時など、緊急性が高い時に遠隔地に住む人に利用されていた電報。
メールや電話が発達した現代、緊急時に使用するものとしては完全に廃止されています。
ですが、現代でも特殊な状況下では、慣習のひとつとしていまだに利用されています。
それはお祝いの時とお葬式の時です。
特に結婚式の場には、いまだ祝電を送る人は決して少なくはありません。祝電サービスも多様化しています。
ですが、詳しいことはよく知らないという人も少なくないのではないでしょうか。
ここで改めて電報の出し方やその他、祝電に関する事柄を確認していきましょう。
大体、結婚式の日程は出席者の都合もあるので、おおよそ8ヶ月から半年前くらいに決定するのが通例です。
招待状が発送されてきたり、周囲に周知されるのもおおよそそれぐらいということでしょうか。
ですから、式のことを知ってから出席するまでけっこう長い時間が空きます。
出席するとなると忘れないものですが、欠席するから電報だけでもなんて思っていたら、すっかり忘れていたなんてことにもなりかねませんよね。
忘れないうちに電報の準備をしておきたいもの。
大手の業者ではおおよそ1ヶ月ほど前から、それ以外で早いところだと半年前から受け付けてくれるところもあります。
逆にいつまでに申し込めば届けてくれるのかと言えば、通常の電報ならば結婚式披露宴の2時間ほど前であれば、問題ないようです。
ただし、ぬいぐるみやその他、色々なものがついてくる電報はその限りではありません。
例えば、あなたが披露宴や結婚式の二次会の司会を任せられることになった時、電報を紹介する際、注意しなくてはならない点がいくつかあります。
披露宴に出席されたことがある人ならご存知でしょうが、電報の紹介は大抵、スピーチとスピーチの間、いわゆる歓談中に行われます。
そのため、歓談の声にかき消されて、紹介の声が宴席まで届かないことがあるようです。
だからと言って、大きな声で読み上げては招待客同士の歓談の邪魔になります。
祝電の紹介の際には、大きすぎず、小さすぎず、ちょうどよい大きさでマイクのボリュームを調整しておく必要があります。
また、電報の差出人の名前が難しくて読めないということもあります。せっかくのお祝いなのに、名前を間違えてしまっては台なしです。
事前に下読みをして、読み方について微妙な場合は、新郎新婦に確認しておいたほうがよいでしょう。
結婚式の招待客には、ご祝儀のお返しに引き出物をお返しします。
では、祝電をくれた人には、何もお返ししなくてよいのでしょうか。
どんなお礼をするかは、すべてあなたの気持ち次第です。
本人に直接、電話をして感謝の気持ちを伝えるだけでも充分かもしれません。あなたの声が聞けて、披露宴での様子、結婚生活の近況などを伝えるだけでも、喜んでもらえるでしょう。
ですが、さらに一手間かけて、手紙でお礼を綴れば、感謝の気持ちがさらに相手にも届くのではないでしょうか。
もう一押しして、お礼の品をつけてもいいかもしれません。そんな高価なものでなくても構いません。
お菓子やタオルといった、あなたのささやかなお礼の気持ちを込めたものでいいのです。
逆に高価なものをお返しとして送ると、かえって相手が恐縮してしまいます。あなたの素直な嬉しかった気持ちが伝われば、電報を送った相手も満足でしょう。
一般社会では、電話やメールなどの連絡手段の進化によって、すっかりすたれてしまった電報ですが、今も結婚式の中で独自の文化として息づいています。
例え、結婚式や披露宴に足を運べなくても、あなたのお祝いを今すぐにでも伝えたいという時便利です。
そのうえ、サービスも充実化してきているので、受け取る側にも喜んでもらえて、送る側は満足です。
デジタルなこんな時代だからこそ、アナクロな電報という手段に重みが生まれるのかもしれませんね。
それだけに、電報の出し方や披露の仕方、そしてお礼などに気をつけてください。